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株式会社ランドスケープ・プラス|LANDSCAPE PLUS LTD

【EVENT】馬場川通り「まちびらき」が開催されました。


ランドスケープ・プラスがデザイン統括者として携わった馬場川通りが竣工を迎え、「馬場川通りをよくする会」と「前橋デザインコミッション(以下、MDC)」主催による「まちびらき」が開催されました。また、まちびらきに合わせ、ランドスケープ・プラスによる馬場川通りの見学会を実施しました。

人口減少社会の到来とともに、地方公共団体の財政は逼迫し、行政のみによるまちづくりに限界が見え始めてきている中、前橋中心市街地では民間主体の取り組みが進められてきました。地元企業24社で構成される「太陽の会」は、まちなか再生のために企業家有志が資金を提供する仕組みを構築。前橋市による支援のもと太陽の会の寄付金を整備費に充て、都市再生推進法人格を持つMDCが事業者となり、国内初の寄付金による公共事業が推進されることになりました。

私たちランドスケープ・プラスは、地元市民の意志によって整備されるこの公共空間を、地球温暖化や少子高齢化社会に相応しい持続可能な環境基盤に再生したいと考えました。かつて生糸の集散地として隆盛を誇った前橋の中心市街地では、川を染色の場や製糸の動力として活用するなど川が人々の生活の基盤として息づいていました。しかし、高度成長期に車社会へと移行する中、中心市街地を流れていた川の多くが暗渠化され、遊歩道公園として残された馬場川通りも、川の周りに柵が張り巡らされ人と水の関係性が大きく失われている状況でした。私たちは、川辺の快適な環境を誰もが享受できるよう、歩車道の段差をなくしつつ川沿いに張り出したデッキをつなげる拡張性のあるパブリックスペースを提案しました。そして、利根川から取水した馬場川を流れる澄んだ水は、夏場でも外気温よりも10℃以上低いことに着目し、酷暑で知られる前橋において、まちなかを冷やす冷媒装置としての役割を持たせています。

当日は4月にもかかわらず日中26℃の夏日となり、通りは多くの人で大変な賑わいを見せました。レンガ敷きとなった道では花や緑を愛で、川沿いに設えられたベンチではランチを食べながら談笑、子どもがデッキから川を覗き込む様子も見られました。見学会には様々な地域でまちづくり等に関わる39名の方々にご参加いただき、活発な意見交換が行われました。生まれ変わった馬場川通りで過ごす人々の姿に、水と共にあったまち本来の暮らしの風景を見ることができました。

このような風景が前橋の地に根付き、市民の発意による川の再生や活動が広がっていくために、私たちランドスケープ・プラスも馬場川通りをよくする会のサポートメンバーとして、引き続きまちの運営に関わり続けていきます。官民連携に加え、地元市民による前橋のまちづくりのこれからに、今後も是非ご注目ください。



川辺で寛ぐ人々

川沿いに張り出したデッキ

商店街を舞台としたまちプレゼンテーション

ランドスケープ・プラスによる見学会



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