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グリーンネットワーク戦略としての屋上庭園
住友商事グループが都内に所有するビル群は皇居を中心としたエリアに集中しており、これら不動産が提供する緑を環境ポテンシャルの高い皇居の緑と積極的に関連づけを行うことで、新たな価値創造を戦略的に構築できると考えました。計画地は沖積層にあって植栽基盤としては脆弱な場所です。私たちは、昭和通りをはさんで建つ2つのビルの屋上を第二の大地として位置づけ、海からの風や多様な生態系をつなぎながら都市の新たな生命基盤として機能することを目指しました。やわらかな緑で囲まれた屋上はバイオミミクリーの考え方に基づき、自然の形態や仕組みが持つ機能をランドスケープデザインに応用しています。アリの巣のような複雑な平面形状をしたベンチは、人間と他の生物が共存できる融合コロニー性のある環境装置として考案しています。コンクリートやアスファルトで覆われた沖積層の空に、都市で働く人々や都心に棲む生物にとって第二の大地となる緑の風景がつながっていく。これがランドスケープの描くグリーンネットワーク戦略としての屋上庭園の未来像です。