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大きな樹木とともに描く団地再生の未来
桜上水ガーデンズは、1965年に分譲された桜上水団地の建替え事業であり、マンション建替え円滑化法の活用による許可事例の中でも都区内最大規模の団地再生事業です。都心と郊外の格差が広がる中、桜上水ガーデンズは都心と郊外をつなぐ中間領域にあって、時代の流動性を敏感に察知しながらも、既存の「大きな樹木」を活かした建替え計画を行政のトップダウンではなく住民によるボトムアップによって遂行した団地再生のリーディングプロジェクトです。「大きな樹木」を守りながら新しい建物をつくるという権利者の覚悟は、団地再生に関わる人々のこころをひとつに束ねる強い力となりました。建物の老朽化や居住者の高齢化のリスクを早い段階にマネジメントし、建替え事業に長い歳月を捧げてこられた権利者からは、ランドスケープの基本ともいえる旧き良き歴史からより良い未来を描くことの大切さを学ばせていただきました。社会が激しく変化するいまだからこそ、終始変わることのない姿勢から生み出された新たな資産は、これからも普遍的な価値を持ち続けることでしょう。