



ランドスケープを基盤に据えたブランディングと価値創造
RJRプレシア東十条ガーデンは、JR九州が展開する賃貸マンションブランド「RJR」シリーズの一環として、2025年春に東京都北区で完成したプロジェクトです。私たちランドスケープ・プラスは、ランドスケープを起点とした事業ブランディングと価値創造を担いました。
本計画では、浸水想定区域に立地するという防災上の課題と、都市計画道路に面した壁面後退空地の活用という二つの条件を、単なる制約ではなく、地域の未来を支える基盤づくりの機会として捉え直しました。周辺の地形や歴史を読み解く中で、江戸期の盛土による集落形成や、大正期の鉄道軌道における植栽による法面安定化など、土地に蓄積された知恵を設計の拠り所とし、敷地全体を緩やかにかさ上げするランドスケープを構想しました。その結果、建物の1階レベルを水害から守る防災機能を担うと同時に、「十条の森」と名づけた豊かな樹林を育むための基盤を創り出しています。これにより、都市の中にありながらも季節の移ろいや生態系の気配を感じられる環境が生まれています。
基盤整備の方針が定まった後、JR九州住宅開発部門の若手社員とのワークショップを重ね、九州という地域が持つ文化や産業の強みを、都市型賃貸住宅の価値としてどのように表現できるかを共に議論しました。そのプロセスを通じて、住民や地域の人々が自然に交わる場をつくることが共通の目標となり、九州の食材を提供する「カフェレストラン」を低層部に併設する構想へと発展しました。ランドスケープと建築、事業が一体となることで、街に開かれた居場所が生まれています。
完成後も私たちは、マルシェや防災イベントなどを通じて、空間を育て続ける取り組みを行っています。日常の快適性と災害時の安全性を両立させ、事業の持続性を支えるランドスケープを実装した本プロジェクトは、地域に根ざした価値を未来へとつなぐ役割を果たしています。


事業名 RJRプレシア東十条 新築工事
所在地 東京都北区東十条三丁目3番1号
用 途 共同住宅、店舗
事業主 九州旅客鉄道
設 計 ランドスケープデザイン
低層共用部プロデュース:ランドスケープ・プラス
建築:INA新建築研究所
店舗:船場
飲食店 九州堂(9trip cafe)
規 模 敷地面積/ 4755.66㎡ 建築面積/ 1706.39㎡
施 工 松尾建設、箱根植木(植栽)
竣 工 2025年