日本橋 組木ベンチ

私たちがランドスケープの設計に携わったコレド室町テラスの広場に「組木ベンチ」をデザインしました。かつて日本橋には材木河岸がおかれ、全国各地から森林資材が集まっていました。日本橋は五街道と航路の発達による物流の中心地であり、究極の循環型都市といわれた江戸の心臓部でもありました。その物流が鉄道にとって代わり、資材を海外から調達するようになると、国内の材木が使われなくなり、地方の山々も荒廃林が増え森林資材の流通が途絶えていきます。本プロジェクトは、全国各地からアンテナショップが出店する日本橋ならではの地域特性を活かし、全国から集めた良質な木材を街路空間の賑わい創出の装置として展示活用し、地場産業の持続性に寄与する仕組みを提案しています。また、当時世界最大規模の都市といわれた江戸では、衣食住に関連する全ての寸法が規格化されていたためリサイクル・リユースが徹底されていましたが、組木ベンチを構成する□90mmの規格にモジュール化された木造軸組架構はこの現代版ともいえます。循環型社会の中心地であった日本橋に木が醸し出す優しさや温かみを再発見できる場所を創り出し、持続可能な社会基盤を実現する取り組みに挑戦した「組木ベンチ」。これらから広がっていく日本橋エリアでの展開にご注目ください。

事業名　コレド室町テラス ストリートファニチャー計画

所在地　東京都中央区日本橋室町3丁目2-1

用　途　公開空地の滞留施設

事業主　日本橋室町三丁目地区市街地再開発組合

　　　　（事務局：三井不動産）

設　計　ランドスケープ・プラス

規　模　「組木ベンチ」4基

施　工　コトブキ

竣　工　2021年