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池袋西口公園 GLOBAL RING

Ikebukuro Nishiguchi Park GLOBAL RING

 

現代の円形鳥居で土地の記憶を未来につなぐ

グローバルリングは、かつてこの地にあった「丸池」をデザインの源泉にしています。豊島区と地縁の深い秩父山系の湧水がつくりだした丸池は、池袋という地名の由来ともいわれており、古来より地域の人々はこの地に特別な力を感じていました。池袋西口に大規模な再開発が控える今だからこそ、都市の中に土地の記憶とつながれる場所をつくりたいと考えました。そして、公園を劇場に再編する理由を、地域の歴史や文化を未来に伝えるための舞台づくりに求めました。
計画にあたっては、単なる劇場型の公園をつくるのではなく、この場所の精神性を取り戻すことが大切だとする私たちの提案に、地元の人々が期待を寄せてくれました。公園の中心に据えた噴水は大地から湧き上がる生命力を、公園の天空に浮かぶリングは大地のエネルギーが渦を巻きながら上昇する躍動感を表現し、閉ざされていた土地の記憶を開放します。また、隣接する東京芸術劇場を本殿に見立て、グローバルリングという現代の円形鳥居によって、池袋の中心に緩やかな結界を生み出します。常設の舞台棟は、さながら最先端の舞台機能を備えた神楽殿だとすれば、巨大ターミナル駅の東西通路が文化や芸術の聖地へと続く参道にも見えてくるから不思議です。開園後、様々な人々が刻々と変化する噴水や映像を共に眺め、肩を寄せ合いながら演奏や演舞に興じる風景は、この地にやはり特別な力があることを私たちに教えてくれるのです。
豊島区は今、私たちが総合プロデュースと設計に携わった南池袋公園を起点として、グローバルリングを含めた4つの公園をつなぎ、まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市を目指しています。豊島区の挑戦が世界に支持されて広がっていけば、地球の未来にとって大きなギフトになるのではないか。それがグローバルリングのデザインに込めた私たちの願いです。

池袋西口公園地形.jpg
西口公園マスタープランS400A4.jpg

事業名 池袋西口公園 GLOBAL RIING
所在地 東京都豊島区
用 途 公園、舞台、飲食店、トイレ
事業主 豊島区
設 計 三菱地所設計 ランドスケープ・プラス共同企業体
    照明:トミタライティングデザインオフィス
    サイン:井原理安デザイン事務所
規 模 敷地面積:3123.19㎡ 建築面積:374.08㎡
施 工 大成建設、西武造園
竣 工 2019年

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