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日本橋室町三井タワー COREDO室町テラス

Nihonbashi Muromachi Mitsui Tower  COREDO Muromachi Terrace

 

圧倒的な緑が描く空間の広がりと時間の重なり

平成から令和へと元号が変わる節目の年に、皇居と所縁の深い日本橋室町に圧倒的な緑量と心地よい水音に包まれた広場が誕生しました。広場が面する「本町通り」は、江戸開府より常盤橋門を起点とした日光街道とつながる由緒ある通りです。そして、かつての江戸の中心はいまや東京を象徴する森となりました。私たちは、昭和から平成へと東京の中心で育まれてきた森を日本橋室町につなげることで、現代社会が失いつつある空間や時間との精神的なつながりを、この場所に再び取り戻したいと考えたのです。

ランドスケープの計画にあたっては、森が持つ階層構造(高木層・亜高木層・低木層・草本層)に学び、建物の基壇部を含む広場や街路の外部環境全体を、多様な緑の階層を生成する一つの生態系として捉えました。その上で、それぞれの階層を日照条件や風向シミュレーションによって解析し、緑が持つ光合成のエネルギーを最大化できる生育基盤であることを確認しながら緑のデザインを行っています。この立体的かつ重層的な緑を価値化するため、私たちはバイオフィリック・デザインの思想を取り入れ、都市生活者の健康増進や、オフィスワーカーの知的生産性向上に寄与するパブリックスペースを創り出すことを目指しました。経済活動を主体とした都市や建築の環境下において、人間が大いなる自然とつながりたいと望む本能的な欲求を満たせる環境の実現こそが、ユーザーの満足度に貢献できると考えたからです。

「本町通り」の辻広場には、日光街道沿いで200年という樹齢を重ねた高さ15mの大欅が植えられています。大欅の下で、日本橋室町が守りつないできた空間の広がりと時間の重なりに想いを馳せてみてください。この街にはいまも、過去と未来をつなぐ力があることをきっと感じてもらえるはずです。

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事業名 日本橋室町三井タワー COREDO室町テラス
所在地 東京都中央区
用 途 オフィス、商業、広場
事業主 日本橋室町三丁目地区市街地再開発組合
    (事務局:三井不動産)
設 計 ランドスケープデザイン:ランドスケープ・プラス
    基本設計:日本設計
    実施設計:鹿島建設
    デザインアーキテクト:Pelli Clarke Pelli Architects
    照明・広場演出:内原智史デザイン事務所
施 工 鹿島・清水・佐藤工業特定業務代行共同事業体
規 模 敷地面積:約11,484m² 建築面積:約8,574m²
竣 工 2019年

受 賞 2021年:日本建設業連合会 BCS賞

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