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ひとりの生き方から学ぶひとつのランドスケープ
東京に離れて住む娘夫婦が単身になった母親のために、生きがいである野菜づくりを通じて同世代仲間と近所づきあいをしながら、ひとり暮らしの高齢者でも安心して住み続けられる居場所をつくりたいとの想いに応えたプロジェクトです。クライアントは建築計画の前に、私たちにまずランドスケープ計画の相談に来てくれました。計画地は甲府盆地の中心部に位置しており、建物と菜園の配置、そして庭園の造営にあたっては、家の中や畑の中から山の稜線がなるべく長大に眺められることを設計の骨子に据えました。露地栽培による野菜づくりは気候や気温の変化に敏感なため、甲府盆地という気候変動の激しい場所においては、山の稜線越しに見える空や雲の変化から得られる情報量の多さが大切だと考えたからです。これは自然とのつながりを大切にされるお母さんの生き方から学んだ設計のアプローチでした。大好きな野菜づくりをしながらいつまでも元気でいてほしいと願う娘と、その願いを叶えてあげたいと奔走する娘婿の熱い想いが、目指すべき空間の本質を示してくれたとても幸せなプロジェクトでした。
事業名 地域と生きる家
所在地 山梨県甲府市
用 途 個人住宅
設 計 ランドスケープデザイン:ランドスケープ・プラス
建築:久間建築設計事務所
施 工 エムズアー、富士グリーンテック
規 模 敷地面積:437.28㎡ 建築面積:91.51㎡
竣 工 2011年
受 賞 2012年:山梨県建築文化奨励賞
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