トータルデザインによるサードプレイスとしての街づくり
大規模複合開発事業によって生まれた「ららシティ湘南平塚」のまわりには、図書館や美術館などの文化施設、神社や宿場などの史跡名所、そして公園や緑道などの公共空間が点在しています。私たちは、地域をつなげる街づくりを目指し、土地区画整理事業による道路や公園などの基盤整備と、民間開発事業による商業や広場などの施設計画を、一体的なランドスケープによってデザインしました。地域をつなぐ全長700mの緑道や地域に開かれた2つの公園では、保水力に優れた舗装基盤や多様性の高い緑地空間をトータルに再生し、ヒートアイランド現象の緩和や生態系の回復に取り組んでいます。また、商業施設「ららぽーと湘南平塚」の足元には、緑道と一体となったテラスや広場が連なり、このエリアならではの心地よい光や風を誰もが享受できる環境が整えられています。人々の暮らしを快適にする緑のつながりは、持続可能な地域社会のグリーンインフラとなって、日常時の賑わいを生み出すだけでなく、災害時の避難路として機能するなど、地域の安全を守る重要な役割を担っています。公共基盤と民間施設のトータルデザインによるランドスケープとは、豊かな緑のもとで地域の人々が気軽に集えるサードプレイスとしての街づくりに他なりません。家でもなく学校や職場でもない、地域のつながりを支援する居心地のよい第三の場所を公民が連携して生み出すプロセスに、私たちは街づくりの新たな可能性を感じています。
事業名 ららシティ湘南平塚、ららぽーと湘南平塚
所在地 神奈川県平塚市
用 途 商業地区、住宅地区、区画道路、公園、緑道
事業主 ヒラツカ特定目的会社
設 計 ランドスケープデザイン:ランドスケープ・プラス
外装デザイン:フェルナンド・バスケス
内装デザイン:乃村工藝社
設計監理:三井住友建設
施 工 三井住友建設
規 模 商業:敷地面積:80,332.40㎡
建築面積:48,477.12㎡
竣 工 2016年