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株式会社ランドスケープ・プラス|LANDSCAPE PLUS LTD

【EVENT】二子玉川ライズで「第6回カワラノギク観察会」を開催しました。


二子玉川ライズのエコミュージアムにて、第6回目となる「カワラノギク観察会」を開催しました。このイベントでは毎年、カワラノギク研究・保全活動の第一人者である明治大学の倉本宣先生の解説を聞きながら、ルーフガーデンを通して多摩川の環境を観察・学習することができます。

カワラノギクは河川の氾濫によって種を運び、植物間の競合を避けるために乾燥した礫性土壌に定着する性質を持ちますが、その植生基盤となっていたのが、多摩川に1万年かけて堆積した礫層です。しかし、これらの礫はこの100年の間に急激な都市化を支えたコンクリートの骨材利用で大量に採取されました。加えてダム建設による河川氾濫の減少や、コンクリート護岸の整備による環境変化が自然河川の象徴であるカワラノギクの自生種絶滅につながったと考えられます。骨材供給のために都心から二子玉川に路線が延伸された歴史を改めて振り返ると、二子玉川ライズの屋上でカワラノギクを保全しようと決断したことが必然のように思えます。

二子玉川ライズの屋上にあるエコミュージアムでは、多摩川の自生種から受け継いだカワラノギクが多摩川の生育環境に限りなく近い状態で保全管理されています。ビル・ゲイツ財団が人類の終焉に備えて北極圏に種子標本の冷凍保存施設をつくっていますが、二子玉川ライズでは人の手でかつての自然環境を取り戻す準備としてカワラノギクを保全しています。それぞれの種が持つ役割をある特定の生態系の中で果たすためには、種の保全だけでなくその種が正しく振る舞える生育環境を合わせて保全する必要があるからです。

本イベントのレクチャーで、倉本先生はこの100年の間に人間が壊してしまった環境を、礫層の堆積と同じ1万年の時間をかければ取り戻せるとお話しされました。一人ひとりが環境再生の活動に25年間関われば400世代後には多摩川にまた本来の自然の姿を取り戻せると考えておられるのです。大きな自然の流れの中に身を置いて、何が最善の策であるかを真剣に考えておられる倉本先生の覚悟に、我々は胸をうたれると同時に、未来に向けたこの保全活動の継続への決意を新たにしました。

地域の環境保全を掲げてつくった二子玉川ライズの屋上も完成して7年目になります。この間、気候変動が引き金となり、国境間の枯渇性資源を巡る争いが混迷を極める中で世界は大いなる秩序を失いつつありますが、二子玉川ライズの屋上から眺める国分寺崖線の緑や多摩川の流れは今日も変わらず美しい風景を見せてくれます。先人が残してくれた自然をつないでいけば、その先に待ち構えている未来は自分たちの手で変えていくことができる、そんな勇気ある気づきを倉本先生に与えていただいた観察会となりました。




倉本先生によるレクチャー


箱根植木による子ども向けレクチャー



カワラノギク保全エリアでの活動



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